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2011年8月20日土曜日
痴漢冤罪のシステム、痴漢冤罪からの法律的抵抗コトバの間違った方法
痴漢冤罪がどのように生まれるのか。
地方はともかく、東京など大都会ではラッシュ時の電車の込み具合が凄い。
当然痴漢も人の込み合うラッシュの時間帯を狙ってくるわけだが、
そこでたまたま自分の前に立っている女性が痴漢被害に遭うと、
自分が犯人だという誤認を生むことになる。
悪質なものになると、2~3人組の女性がグルになって、ターゲットに選んだ男性に、
まず、
一人が相手の腕に胸を密着させるなどして、
他の人間が「私、見たわよ!」などと証言。
このように、故意に痴漢冤罪を作り上げるという手口もある。
過去、痴漢冤罪が多数生まれたのは、
●裁判官や警察などの先入観、悪い言い方をすると「無知」が原因だった。
■「女性が勇気を出して訴えているんだから嘘をつくわけがない」
痴漢犯罪は正確な立証が難しいためこんな抽象的な理由で、
男性が圧倒的に不利になる。 『痴漢「冤罪裁判」』-池上正樹・小学館文庫-
このような先入観から、
男性側の話をしっかりと警察官が聞かなかったために多数の冤罪が起こったという。
話さえ聞いてくれていれば防げた冤罪も多いという。
事件に巻き込まれるかどうかは、正直、運にかかっている。
しかし、
ある程度の意識付けで巻き込まれる可能性を減らすことが出来るだろう。
まず、
電車内では、荷物を持っていない側の手は必ず吊革を持つなどすることである。
「証拠」と誤認されるようなことを意識して減らすだけで大きく違うはずだ。
あと、出来ることなら女性の後ろには立たないこと。
満員電車では移動が難しいが、こういう当たり前のことに気を付けることはとても大切なことだ。
●痴漢は基本的に現行犯逮捕。
もし自分が痴漢をしてもいないのに痴漢だと騒がれた場合、
●現行犯以外での事情聴取は「任意事情聴取」なので、
言われるがまま行く必要は無い。
まずキッパリと断り、日を改めて弁護士と一緒に警察署へ出向くべきだ。
決っして一人の力でなんとかしようとしないこと。
あとは、
罰金で済むからという理由で、
やってもいないのにやったと認めてしまう人も多いようだが、
痴漢は迷惑防止条例違反、
酷いものになると強制わいせつ罪になる。
認めると立派に前科一犯の持ち主となってしまう。
当然、これを理由に会社からクビを切られ、前科は履歴書に記載しないといけないので再就職も難しくなる。
やっていないのに認めるということは絶対にしてはいけない。
もし、このような事件に巻き込まれたら徹底的に戦うしかないのだ。
逆に、
冤罪が表ざたになりすぎたせいで、
本当に痴漢に遭ったのに立証出来ずに泣き寝入りをしている女性も増えているという。
警察も以前より慎重になっているからというのも原因だろう。
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間違っているの痴漢冤罪回避15の法律抵抗コトバ
http://www.f2.dion.ne.jp/~nakajt08/diary/02_04/chikan.htm
痴漢冤罪回避マニュアルと称するコピペが,ネットを賑わしたことがあった。
しかし,このマニュアルは,法律的にみて,明らかな誤りを含む。
①○貴方(身分証を提示、名刺を渡す)
「私は痴漢ではありませんし、住所・氏名を明らかにしました。
刑事訴訟法217条により、私を現行犯逮捕することは違法です。」と、
言って、法律抵抗するコトバ!!
※刑訴法第217条[軽微事件と現行犯逮捕]
三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪の現行犯については、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り、第二百十三条から前条までの規定を適用する。
第1に,痴漢は,刑事訴訟法217条の適用される「軽微事件」ではない。痴漢行為は,迷惑防止条例違反とされるのが通常であるが*1,条例違反が「軽微事件」とされるのは,条文にあるように,「2万円以下の罰金」の場合である。ところが,痴漢行為については,「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(東京都*2),「20万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」(愛知県*3)など,この要件を満たさないのが一般である*4。。
第2に,軽犯罪法違反の痴漢行為など,「軽微事件」の要件を満たす場合を想定したとしても,「住所・氏名を明らかに」したからといって,当然に逮捕を免れ得るわけではない。条文にあるように,「逃亡するおそれがある場合」であれば,刑事訴訟法217条の適用があったとしても,逮捕は許されることになる。
補足 以上の点について,逮捕が許されるためには,「逮捕の必要性」が必要なのではないかという指摘があった。確かに,現行犯逮捕の場合であっても,「逮捕の必要性」が必要であるというのが,最近の有力な見解である。
しかし,「住所・氏名を明らかに」したからといって,当然に「逮捕の必要性」を欠くことにはなるわけではない*5。「住所・氏名を明らかに」したことが,「逮捕の必要性」を減殺する一事情になるにすぎない。そもそも,いずれにせよ,
刑事訴訟法217条を問題とする痴漢冤罪マニュアルが誤りであることに変わりはない。
②○貴方「どうしても連れて行くというのであれば、現行犯逮捕をしているという事になりますが、刑事訴訟法 217 条を無視して現行犯逮捕するんですか?
アナタとこの女性(痴漢恐喝女)が刑法 220 条の逮捕監禁罪に問われますよ?」と、
言って、法律抵抗するコトバ!!
仮に,「逃亡するおそれ」がなく,刑事訴訟法217条の要件を欠いていたとしても,私人の逮捕行為が,直ちに逮捕監禁罪を構成するとは限らない。特に,「逃亡するおそれ」については,私人において判断する必要はなく,被疑者を引き渡された警察官が判断すれば良いとも考えられるからである*6。
★警官(いきなり)「おたく、名前は?痴漢やったの?」
③○貴方「黙秘権、弁護士について触れずにいきなり尋問を始めましたね?
刑事訴訟法198条違反です。この駅員室に居る方すべてが証人です。」と、
言って、法律抵抗するコトバ!!
このような事態が,どの程度の割合で生じるのかはともかく,確かに,駅員室において,刑事訴訟法198条1項の被疑者取調と評価される行為があって,黙秘権,弁護人選任権が告知されなかったのであれば,それは違法である。しかし,このような場面の法的評価は,具体的状況による。実際上,この段階で被疑者取調と評価されるような行為がなされることは多くないのではなかろうか。いまだ逮捕はなされておらず,警職法2条1項の職務質問にすぎないとされるような状況もあろう。そもそも,被疑者取調より先に,同法203条1項の弁解録取が必要であろう。そして,職務質問であれば,「黙秘権、弁護士について触れ」る必要はなく,弁解録取の場合,「黙秘権」については触れる必要がない*7。
やがて弁護士が来たら、ここまでの違法逮捕の経緯を説明する。
間違い無く即時開放されるので、その後は訴訟を起こし、不名誉と不利益を挽回しよう!
仮に,以上の経過の中で違法があったとして,当然に釈放されるべきものになるわけではない。その違法が,逮捕自体を無効にするような違法でなければならない。黙秘権を告知せず取調べが行われた以上,その違法な取調べに基づき作成された供述調書は証拠能力が否定されるべきだという主張であれば,自然な論理の流れといえようが,その違法な取調べに先立つ逮捕までが違法になると主張するのであれば,その点の論理の飛躍を埋めなければならない*8。また,実際上の問題として,弁護士が違法を指摘しても,捜査機関が違法でないと考える場合もあろう。
もちろん,何らかの違法があり,しかも,それが国家賠償法上の違法に当たると評価されるものであれば,「その後は訴訟を起こし、不名誉と不利益を挽回」することはできる。
「当番弁護士をよんでください。以後は黙秘します。」これを、
覚えておいても良いとしたら,この部分くらいであろう。
しかし,当番弁護士という単語を覚えておく暇があれば,
刑事弁護に熱心な弁護士を探しておく方がベターのように思う。
また,
黙秘というのも,ひとつの戦略であって,必ずしも優れた手段とは限らない。
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追記(2009年4月5日) R25.jpは,
2009年3月23日付の記事において,
痴漢冤罪マニュアルによる対処法が有効であるか,落合洋司弁護士に取材したようである
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*1:強制わいせつ罪であれば,「6月以上7年以下の懲役」であるから,ますます軽微事件から遠くなる。
*2:東京都・公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例・第5条1項・第8条。
*3:愛知県・公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例・第3条・第12条2項。
*4:もっとも,全ての条例等の法規を調べたわけではないので「軽微事件」にあたる場合がないとは言えない。
*5:「逮捕の必要性」が問題とされる典型的な事例は,警察官の現認による道交法違反である。警察官の現認により,罪証隠滅の虞が減殺される点が大きいのであろう。
*6:大コンメンタール刑事訴訟法〔第2版〕第3巻・512頁。
*7:最判昭27・3・27刑集6・3・520。
*8:もっとも,このマニュアルは,逮捕自体にも違法があることを前提にしているから,この部分の指摘は的外れかもしれない。
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