2015年6月17日水曜日

名大女子大生・大内万里亜19の手斧殺人事件と聖ウルスラ学院英智高校タリウム毒盛り失明事件

14000文字数

名大女子大生・大内万里亜19の手斧殺人事件と聖ウルスラ学院英智高校タリウム毒盛り失明事件
しかし、手斧の刃でなく、斧の裏で攻撃⇒死に至らずマフラーで首絞め老婆殺害

タリウム飲ませた女子生徒見舞いに…症状確認か
2015年5月17日読売新聞

名古屋大学の女子学生(19)が高校時代、
別の高校の女子生徒ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして殺人未遂容疑で再逮捕された事件で、
女子学生(19)が、
体調不良で入院した女子生徒を見舞いに訪れていた事が、関係者への取材でわかった。

女子学生(19)は、
「タリウムを飲ませて症状を観察したかった」と供述しており、
愛知、宮城両県警は、生徒の中毒症状を確認する目的だった可能性があるとみている。

女子生徒の家族によると、
生徒は体調を崩し、2012年7月下旬から8月頃に5日間入院。
女子学生(19)はその際、病室に花を持って見舞いに来たという。
2人は小中学生の時から一緒にカラオケに行ったり、互いの家で遊んだりするなど仲が良く、
別々の高校に進学してからも連絡を取り合っていたという。

両県警によると、
女子学生(19)は高校2年だった2012年5月27日頃、宮城県内のカラオケ店で女子生徒の飲み物にタリウムを混ぜて飲ませた疑いがある。
女子生徒は手足にしびれなどの症状が出たが、現在は生活に支障がない程度まで回復しているという。
当時は原因不明だったが、その後の捜査で女子生徒からタリウムが検出された。

[注意]
別の高校の女子生徒ら2人=別の高校の女子生徒(19)+同級生の男子生徒(19)
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<殺人未遂容疑>名大生を再逮捕…高校同級生らにタリウム
2015年5月15日毎日新聞【谷口拓未、金寿英】

愛知、宮城両県警合同捜査本部は2015/5/15日、名古屋市のアパートで女性を殺害した容疑で今年2015/1月に逮捕された名古屋大の女子学生(19)が、
宮城県の私立高校在学時、同級生ら2人に猛毒の「硫酸タリウム」を飲ませ、殺害しようとした疑いが強まったとして、女子学生(19)を殺人未遂容疑で再逮捕した

愛知県警の調べに「タリウムを飲ませて、観察したかった」などと容疑を認めているという。

再逮捕容疑は、
(1)2012年5月27日頃、宮城県内の飲食店で女子生徒(19)に対し、
(2)また同2012/5/28日頃から6月上旬頃にかけ、通っていた高校内で同級生の男子生徒(19)に対し、
それぞれ殺意を持って硫酸タリウムを飲み物に混ぜて飲ませ、2人を中毒にさせたとしている。

女子学生(19)は昨年2014/12月、名古屋市の自宅アパートで、同市千種区の森外茂子(ともこ)(当時77歳)の頭をおので殴り、マフラーで首を絞めて殺害したとして、
今年2015/1月に殺人容疑で逮捕された。
名古屋地検は鑑定留置の結果、刑事責任能力があるとみている。【谷口拓未、金寿英】

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<老女殺害>名大生実家捜索5時間 母親か…捜査員と共に
2015/1/31毎日新聞

名古屋市で森外茂子(77)が殺害された事件で、愛知県警は1/31日、殺人容疑で逮捕した女子学生の宮城県の実家へ家宅捜索に入った。
捜査関係者によると、家宅捜索は午前9時前から始まり、約5時間続いた。
捜査員が段ボール箱を運び出すと、母親とみられる女性が捜査員に伴われて家から出てきた。
母親らしき女性はうつむき加減に車に乗り込み、記者の問いかけには答えなかった。

名古屋市昭和区の女子学生のアパートへの家宅捜索では、
殺人事件に関する書籍や毒性の強いタリウムとみられる薬品が多数押収されている。
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名大女子学生(大内万里亜)⇒応援団部員に「タリウム入りジュース」飲ます?
2015年1月31日東スポWeb

名古屋大学理学部1年の女子学生(19)が無職森外茂子(77)殺害容疑で逮捕された事件で1/29日、名古屋市内の女子学生の部屋から複数の薬品や過去の殺人事件に関連する書籍が押収されていた事がわかった。
女子学生は「高校時代に同級生に毒を盛った」と供述しているが、大学でも部員相手に“手作りジュース”に混ぜて薬物を飲ませた疑いも出てきた。

女子学生は「人を殺して達成感があった」と供述しているという。
事件当日の昨年2014/12月7日、ツイッターに「ついにやった」と書き込んでおり、それと重なる内容だ。

女子学生は、
「高校時代に同級生に毒を飲ませて後遺症を残したことがある」とも供述している。
これを裏付けるように、在籍していた宮城・仙台の高校[宮城県私立聖ウルスラ学院英智高等学校]では、
2012年6月ごろ、同級生の女子生徒が体調不良を訴え、視力低下で一時休学した。
さらに、同級生の男子生徒は視力と筋力の低下を訴え入院。
地元関係者によると「このとき医師は薬物など特殊な成分が体内に入った疑いがあると診断したが、原因は結局不明だった。
男子生徒は入退院を繰り返し、失明し、特別支援学校に転入した」。宮城県警は1/29日、供述を受けて「傷害容疑で捜査中」としている。

ツイッターなどでは薬物への異常な興味をつづり、
「未開封の硫酸タリウム瓶には25グラム、つまり約13人分の生命が入っているわけだ! それだけで神秘じゃないか」などとつぶやいた。
同級生への毒は、症状からこのタリウムだった可能性が高い。

女子学生をめぐっては名古屋大進学後、所属していた名大応援団が新入部員を紹介する動画が、
昨年2014/6月ごろからネット上に出回っており、その紹介内容が“余罪”の可能性を示唆しているとも言われる。男子部員が女子学生を紹介した文句はこうだ。

「家には様々な薬品を取り揃え(中略)三度のメシより化学実験が大好き。入団した時から持ってきてくれるジュースが非常においしく、このジュースがどこで売っているのか尋ねてみたところ(中略)化学実験で作ったジュースだったのであります。おいしいからと飲み続けていた結果、私の体にある異変が起き始めていたのでございます。(額を見せて)私の前線はこの女の実験によって後退してしまった。私はこの女の実験動物にされたのでございます」

女子学生はツイッターで昨年2014/4月に「薬局での品物取り寄せは日常茶飯事よ☆」、2014/9月には「タリウム素手で触っちまった」、2014/11月には「硫酸タリウム買ったんだけどね」などともつぶやいた。過去に起きた、実母にタリウムを飲ませた殺人未遂事件で逮捕された女子高生への並々ならぬ関心も示していた。

タリウムは摂取すると頭痛、吐き気、幻覚などの症状のほか失明、さらには呼吸まひによる死亡の危険性もある。
2012年には、硫酸タリウム入りウーロン茶を同僚の男女5人に飲ませて重症を負わせ、大量に脱毛させた傷害罪に問われた男に懲役3年、執行猶予4年の判決が下っており、ハゲることでも知られる。

本紙は前出の応援団男子部員を電話で直撃。
すると「あれは冗談です。一度も彼女の作ったジュースなんて飲んだことはありません。そのような事実はありませんので…」
と困惑した口調で電話を切った。

別の名大生は男子部員の心中をおもんぱかり、こう話す。
「応援団は部員1人の時代もあり、今でも3~4人。後期に入って女子学生が学校に来なくなった時も、皆で迎えに行ったほど結束が固い。“自分たちに刃を向けられた”という、万が一の可能性も考えたくないのでは」・・・・

女子学生が“身内”の部員にまで毒を盛って実験していたとしたら、おぞましすぎる。

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「硫酸タリウム買った」名大生、事件前ツイート⇒硫酸タリウムTl2SO4
2015年1月31日読売新聞

名古屋大学の女子学生(19)が名古屋市昭和区の自宅アパートで同市千種区、無職森外茂子(ともこ77)を殺害した事件で、
女子学生のものとみられる簡易投稿サイト「ツイッター」の書き込みに、劇物に指定されている硫酸タリウムを所有していることを示す内容があることが分かった。
愛知県警は女子学生のアパートから複数の薬品を押収しており、こうした劇物が含まれているか鑑定する方針。

ツイッターには、昨年2014/11月10日付で、
「硫酸タリウム買った」「硫酸タリウムの半数致死量は1gグラム(成人男性)だろ?未開封の硫酸タリウム瓶には25g、つまり約13人分の生命が入っているわけだ」
との記述があるほか、同2014/9月15日には「タリウム素手で触っちまった」とも書かれていた。

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■Twitterプロフィール紹介には
「上中→聖ウルスラ→名古屋大学理学部1年(今ここ)→名古屋大学大学院→自宅警備員→刑務所→拘置所・宮城→愛知」と記載されている。
https://twitter.com/thallium123⇔大内万里亜のツイッター⇔現在はまだ閉鎖されてない。

■プロフィール(名大サークル※現在削除済み)
http://www2.jimu.nagoya-u.ac.jp/ohendan/contents/danin/ouchi/ouchi.html

名前=大内万里亜(おおうち まりあ)
生年月日=1995年10月5日[2015/10/5で20歳][オウムサリン地下鉄事件の時に生れる]
在籍大学=名古屋大学理学部(1年生)
所属=リーダー部
出身中学=仙台市立上杉山中学校?
出身高校=宮城県私立聖ウルスラ学院英智高等学校(偏差値45~65)
※特別志学コース(65)・特別志学コース(58)・尚志コース(45)
血液型=A型
趣味=薬品コレクション
特技=しりとり
今後の目標=警察にお世話にならないよう頑張ります。
ひとこと=私は清楚です。

■殺害時刻に大内万里亜Twitterで報告しています。
▼ニュースでの犯行時刻=2014年12月7日昼ごろ
▼Twitterの報告「ついにやった。」(2014年12月7日17:15)

⇊■19歳少女を殺人容疑で逮捕 「人を殺してみたかった」■⇊
2015年1月27日朝日新聞

名古屋市昭和区のアパートの一室で、顔見知りの女性・森外茂子(77)をおので殴るなどして殺害したとして、
愛知県警は2015/1月27日、この部屋に住む名古屋大学1年の少女(19)を殺人の疑いで緊急逮捕し発表した。
容疑を認め、「人を殺してみたかった」と話しているという。

県警によると、少女は、
❶昨年2014/12月7日昼ごろ、自室で、同市千種区の無職、森外茂子(ともこ)の頭をおので数回殴ったり、マフラーで首を絞めたりして殺害した。
❷2015/1月27日午前9時40分ごろ、少女19と共に部屋を訪れた警察官が、風呂場の洗い場で、服を着たまま倒れた状態で死亡していた森を発見した。

少女は昨年2014/12月上旬、森から宗教の勧誘を受けて知り合い、
2014/12月7日午前には2人で同市昭和区の宗教施設を訪れていた。
その後、少女は自室で森を襲い、遺体をそのまま放置し、宮城県の実家に戻っていたという。

森外茂子の夫が12/7日夕、外茂子が予定の時間に帰宅せず、携帯電話にも出ない事から警察に行方不明を届け出た。
県警が捜査したところ、2人が会っていたという目撃情報があり、少女が浮上した。

少女は昨年2014/4月に大学に入学し、アパートで一人暮らしをしていた。
調べに対し、少女は
「手おので殴ったが、完全に死んでいないのでマフラーで首を絞めた」
「部屋で殺し、遺体を風呂場に運んだ」などと話しているといい、県警は動機を調べている。

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女子学生、被害女性の遺体撮影か 愛知県警が携帯電話データ確認
2015年1月30日共同通信

名古屋市のアパートで無職森外茂子(77)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された名古屋大の女子学生(19)の携帯電話に森の遺体とみられる画像データが残っていた事が1/30日、捜査関係者への取材で分かった。愛知県警がアパートから押収した携帯電話を解析しデータを確認。女子学生がカメラ機能を使い撮影したとみられる。県警は画像を撮った目的や撮影時の状況を調べる。

県警によると、遺体は発見時、
首にマフラーが巻かれ、浴室床に横たわった状態だった。

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名古屋大女学生 毒マニアを殺人犯にした大人たちの“隠蔽”
2015/1/31日刊ゲンダイ

名古屋市の77歳女性殺害事件で、容疑者の名大女子学生A子(19)は、中学生のころから“毒マニア”だったという。
周囲の大人も、危険信号に気づいていたはずだ。

殺害現場のA子の自宅からは、毒性の強い劇薬タリウムが押収された。大学の同級生には「趣味は薬品コレクション」と話していたという。

「A子は中学生時代から毒キノコや化学薬品について熱心に調べるほどの“毒マニア”だったそうです。飼っていたハムスターに自作の薬品をかける“実験”も行っていた。はさみやカッターを常に持ち歩き、『猫の中身を見てみたい』と友人に漏らしていたといいます」(捜査事情通)

どう考えても異常だ。周囲が気づかないわけがない。そして悲劇が起きた。
宮城県内の市立中から私立高に進学したA子は「同級生だった男子生徒に毒を盛った」と、逮捕後に供述している。

「男子生徒は両目の視力が急激に落ち、その後、特別支援学校に転校しています。当時、男子生徒を診た医師は『薬物が原因の可能性がある』と警察に届け出ましたが、学校側は校内の薬品を調べただけで、ウヤムヤにしようとした。事件を公表しなかった。校長は『在校生に動揺を与えたくなかった』などと話していますが、隠蔽しようとしたと勘繰られても仕方がないでしょう」(地元マスコミ関係者)

いまになって宮城県警は傷害事件として捜査を始めたというが、もっと早く動いていれば、今回の殺害事件を防げたかもしれない。
A子は大学進学後も、ツイッターでサリンなどの毒物についてつぶやいていた。
異常な執着があるから理学部に進んだのだろうが、不思議なのはそれほどの毒マニアなのに、77歳女性はおので殴って、マフラーで首を絞めて殺害したことだ。

「A子は取り調べに淡々と応じ、『悪かったとは思う』と反省の弁を述べているそうです。なぜ毒殺じゃないのか? それはまだ謎です」(前出の捜査事情通)

昨年2014の長崎・佐世保市の同級生殺害事件も、結局、周囲が加害少女の異常性を隠蔽し続けようとしたせいで、悲劇を招いた。今回の事件もまったく同じじゃないか。

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▽手斧過去類似事件▽
■斧少女(16歳)殺人事件=2007/9/18(事件日)■⇔この殺人事件は斧の刃で直接に攻撃して殺害⇔次女の父に対する怨念!!、は手斧で晴らす

京田辺警察官殺害事件(きょうたなべ)とは、
2007年9月18日に京都府京田辺市で、当時16歳の少女が警察官(京都府警南警察署勤務)である父親を殺害した事件。

■経緯□

❶2007年9月18日午前4時頃、少女16[次女]は自宅2階の寝室で寝ていた父親の首を手斧(刃渡り11cm、柄約30cm)で切りつけて失血死させた。
❷2007/9/18午前4時40分頃、少女16の母親が「父親が首を切って自殺した」と119番通報。

しかし、
消防からの連絡で田辺署員が駆け付けたところ、2階の寝室のベッドで血塗れで死亡している事が確認された。
1階キッチンに手斧が落ちており、そばにいた少女16の服に返り血が付いていた為、署員が事情を聞いたところ犯行を認めたため、殺人容疑で緊急逮捕した。

少女は犯行の5日前に自宅近くのホームセンターで手斧を購入していた。
少女は動機について「父親の女性関係に数年前から疑問を抱いていた。ギロチンにしようと思った」と府警の調べに供述したとされる。

❸2007/10月5日、京都地検は少女を殺人の非行事実で家裁に送致したが、計画性と残虐性を考慮して刑事処分相当との意見を付けた。
❹2007/10月18日、第1回審判で京都家裁は少女の心理状態鑑定を決定した。

■家裁送致⇒結論⇒決定⇒確定(保護処分=この時次女は17歳になっていた)□

保護処分とする特段の事情があると結論。
謝罪する気持ちがある事や家族の処罰感情が強くない事も考慮し、
長期間の矯正教育を施して更生を図るべきだとして、中等少年院送致の保護処分を決定した。異議はなく、そのまま確定した。

■事件の影響□

少女16が中学2年以降からゴシック・アンド・ロリータ(ゴスロリ)に興味を示すようになり、犯行時もそれらの服を着ていたと報じた。
また、2007年9月24日には、長野間で15歳の少年が斧で父親を殴打し負傷させる事件が発生し、逮捕された少年は、テレビで京田辺の事件を見て斧を凶器に選んだと供述していた。

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▽タリウム過去類似事件▽
■硫酸タリウムTl2SO4⇔タリウムは1価=Tl+■化学式量=204.4×2+96=504.8

❶無味無臭⇔水への溶解度 4.87g (20 °C)
❷水に易溶である
❸可溶性で致死量は大人で平均致死量は約1グラム。500mgを超えると致命的で、
タリウムの硫酸塩は身体に入った後、腎臓、肝臓、脳などに影響が出る。 経口摂取や吸入、
❹皮膚に触れると危険。

❺有毒性のために家庭用の製品にタリウムの硫酸塩(化合物含む)の使用を禁止した。

今では、殺鼠剤、分析用試薬として利用されている。
殺鼠剤の誤飲などの事故でタリウムを摂取した場合の治療薬としてプルシアンブルー[紺青、ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸鉄(Ⅲ)]が用いられる。

■酢酸タリウム⇔CH3COOTl■化学式量=204.4+59=263.4 ⇔ 263.4の2倍=526.8⇔硫酸タリウムの化学式量504.8とほぼ同じ⇒致死量はほぼ同じとなる

❶無味無臭の白い粉末⇔水への溶解度は酢酸塩らしくかなり溶ける
❷成人の致死量は約1グラムで、急性症状としては吐き気・下痢・昏睡などがあり、呼吸器や循環器の障害により死亡する。
❸少量を継続して摂取しても重金属のため体に蓄積して慢性症状を示し、徐々に衰弱して死亡するため病死と見せかけて毒殺するのに使われ、
事件例としては、
・イギリスのグレアム・ヤングの母親殺し、
・1991年の東大技官タリウム殺人事件(東京大学医学部)
・2005年の静岡女子高生母親毒殺未遂事件などがある。

かつてはよく殺鼠剤に使用され、現在でもその殺鼠剤は薬局で入手可能、黒色に着色されている。
しかしもっと安全な材質(クマリン系)の殺鼠剤が出回っているため、あえて酢酸タリウムをネズミ退治の目的で入手する意義はない。
殺鼠剤の誤飲などの事故でタリウムを摂取した場合の治療薬としてプルシアンブルー[紺青、ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸鉄(Ⅲ)]が用いられる。
□タリウム毒殺事件は酢酸タリウムが多い□

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■東大技官タリウム毒殺事件の要約■

死亡=被害者=内田賢二(38)=死亡日=1991/2/14PM6:00
犯人=加害者=中村良一(44)=逮捕日=1993/7/22⇒最高裁2000/6/8=1審の懲役11年を支持して中村の刑が確定した。
毒物=酢酸タリウムCH3COOTl

▼1991(平成3)年2月14日18:00、東京大学医学部付属動物実験施設の技官・内田賢二(38)が。
「同僚に毒を盛られたかもしれない」と呟きながら死亡した。

内田賢二は、
前年の1990(平成2)年12月13日、全身が痛み、手足が痺れて、脱毛症状も見られたため入院した。
年が明けても容体は悪化する一方で、1991/2月14日に死亡した。

担当医は、内田が、
「毒を盛られたかもしれない」という最後の言葉を重く見て、警察に通報すると共に、遺体を司法解剖した。
その結果、臓器から「酢酸タリウムCH3COOTl」が検出された。

タリウムTlは金属元素の一つ。特質は鉛や水銀に近いが毒性はさらに強く、致死量は成人で約1グラム[硫酸タリウムとして約1g]。
以前は殺鼠剤として広範囲で使用されていたが、現在では人口宝石の製造や医療関係でしか使用されていない。

警視庁は、毒殺事件として捜査を開始した。
同施設は教授ら研究職、事務職、アルバイトなど数十人が勤務していた。
酢酸タリウムを混入させるには内部の人間以外にはありえない。このため、職員らの身辺調査を実施した。
▼その結果、内田賢二と日頃から仲が悪かった技官・中村良一(44)が捜査上に浮上してきた。

内田は、都内の私立高校を卒業し、動物飼育の会社に入社。この関係で、同施設に技官として採用された。主な任務は実験動物の飼育だった。
一方、中村良一は日本獣医畜産大学を卒業後、国立予防研究所などを経て同施設に配属された。

内田&中村2人の性格は正反対で、勤務態度もおのずと異なり、しばしば対立していた。
●内田は、動物好きだったが、性格は無愛想。職場の付き合いは悪く、朝の挨拶もしない状態だった。
しかも、職場を連絡所にして中古自動車のブローカー(内職・副業)もやっていた。

●中村は、職場の同僚に対して気配りが行き届き、誰に対しても愛想が良かった。
正義感が強い中村は、内田に勤務態度の改善や中古車ブローカーのアルバイトを止めるよう再三注意してきた。
だが、内田は、中村の注意を一切無視した。

捜査班は、中村に対して内偵を開始した。そんな中、捜査員がある情報を収集した。
それによると1990(平成2)年4月中旬、内田が同施設長(教授)に、
「自分のコーヒ豆の缶に白い粉が入っている。調査して欲しい」と申し出たというものだった。

▼同施設長が調べた結果、白い粉は酢酸タリウムだった。
この時は悪質な悪戯という事で警察に通報する事もなく片付けられていた。
その後、内田は脅え始め、食事は外食・飲料はミネラルウォータ以外に口にしなかった。

■1993(平成5)年7月22日、警視庁は中村を殺人容疑で逮捕した(事件発生から2年半が経過)。
警察の取調べで、中村良一は素直に犯行を認めた。
殺害の動機は、自分(中村)の注意を無視し自分(中村)を馬鹿にしたからという単純なものだった。
2000(平成12)年6月8日、最高裁は1審の懲役11年を支持して中村の刑が確定した。

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■東大技官タリウム毒殺事件■憎しみを込めて毒殺を実行~殺したい程に延々と酢酸タリウムを飲まし続けるその怨念!!

■【事件概要】■

1991年2/14PM6:00死亡、
東大付属の動物実験施設に勤める男性技官内田賢二(38歳)が病院で死亡した。
内田賢二は前年から不調を訴えており、遺体からはタリウムが検出された。
2年半後、同僚技官中村良一(当時44歳)が殺人容疑で逮捕された。

■技官中村良一=犯人=加害者▼

【技官内田賢二の死=被害者】

1991年2月14日午後5時59分、東京大学医学部付属動物実験施設(文京区)の技官内田賢二(38歳)が、病院で腎不全のため死亡した。
内田は前年1990/12月13日に、仕事を休んで府中市の整形外科の診察を受けていた。
内田が訴えるには、両手足の痺れがひどく、身体が激しく痛むというらしく、医師は多発性神経炎と診断した。
内田はその後都立神経病院に転院したが、年が明けて容体が悪化していた。重金属中毒の症状を起こしていたのである。

内田が、
「毒を飲まされたようだ」と言い残していた事もあって、医師は念の為警察に通報。
司法解剖された内田の臓器からタリウム化合物が検出された。

内田は農業科の高校から、動物飼育会社を経て、この施設に勤務していた。
技官と言っても、仕事の内容は犬100匹の世話と、実験の後片付けである。
最初はアルバイトだったが、動物好きの内田にとっては良い仕事で、後に正式に採用された。

勤めていた実験動物施設では、⇔【1990/4タリウム粉末混入騒動事件】
以前にもコーヒーの缶にタリウムが混入されるという事があった。
この施設では滅菌用に常備されていたのだ。
さらに酢酸タリウム1瓶(25g入り)が紛失している事もわかった。

職場は内田の他にもう1人動物の世話をする技官がおり、事務職、研究職、施設長(教授)、アルバイトを含め十数人が出入りしていた。
内部の人間なら誰でもタリウムを混入するチャンスはあったのだが、

▼当初は、内田の自殺自演という噂もあった。
内田が「入退院を繰り返せば入院保険金が入る」と話していた事から、保険金目当てで飲む内に、量を間違えたのではないのか?というのだ。

■【憎しみは毒に込めて実行】▼

事件から2年半が過ぎて。
1993年7月22日、同僚の中村良一技官(当時44歳)が殺人容疑で逮捕された。
鑑定に出していた施設保管のタリウムと、遺体から検出されたタリウムの成分比が一致したことを受けての逮捕だった。

中村は、
日本獣医畜産大学卒業、東大医科研、国立予防衛生研などで家畜の微生物の研究を経てこの施設に採用された。
以前の施設長に誘われたからで、ここで動物実験施設でマイコプラズマの分離に関する研究プロジェクトに入った。
この時に、中村はタリウムについて熟達している。
だがその教授が退職し、別の教授が赴任すると、中村は次第に研究よりかは実験動物の管理を任されるようになった。
ちなみに、中村良一は1975年4月にこの施設に採用されており、内田賢二がアルバイトとして入ってきたのはその半年後の事である。

■中村良一の供述➊■

「後輩のクセに、仕事の事でいくら注意しても無視するので、長年、鬱積したものがあった」

中村は内田の先輩であり、年上でもある。
同じ技官という立場だが、獣医であるというプライドも中村にはあった。
2人とも勤務態度は真面目であったが、内田の方は職場の行事には一切参加せず、挨拶もろくにしない事があるなど、人付き合いの方に問題があった。
中村良一はそうした態度を度々注意していたのだが、そのたび無視されたという。

また、
内田賢二が施設を事務所がわりに中古車の仲介アルバイトをしているのを知り、
「公務員の副業は禁じられている」と忠告したが、これもことごとく無視され、
結局、中村良一は上司に知らせたのだが、この事で2人の関係はさらに悪化した。

■中村良一の 供述❷▼

「長年仲が悪く、10年ほど前からタリウムを飲ませるチャンスを狙っていた」

中村は1985年頃から内田のタオルにタリウムを振り掛けるなどしていた。
そして1990年春頃から、
内田の飲みかけの茶碗などにタリウムの粉末を入れたが、異臭を気づかれ、ことごとく失敗した。

同年1990/4月、内田賢二は、⇔【1990/4タリウム粉末混入騒動事件】
「コーヒー豆の缶に、何か白い粉が入っています」と施設長に見せた。
この粉がタリウムとわかって大騒ぎとなったが、誰も通報などはせず、「悪質ないたずら」として片付けられた。

この1件位後も、
中村はタリウム混入を企て続けたが、
内田の方が疑心暗鬼になり、食事や飲み物にも気を使うようになり、部屋の鍵も取りつけた。

だが1990年12月中旬、今度は巧妙に、タリウムを水に溶かして無味無臭の水溶液を入れた。
そして内田賢二は欠勤、そのまま入院生活となった。

中村良一にとっては、
10年来の憎しみがようやくはらされた瞬間だった。⇒10年間の怨念の達成感!!!
さらにタリウム入りのお茶の缶を内田専用の冷蔵庫にいれておくなど、自殺に見せる偽装工作も行った。

逮捕までに、2年半あったものの、中村は当初から疑われていた。
仲が悪かった事も職場の人の知るところであったし、タリウムを扱うのは大抵中村良一だったからだ。
東大施設という事件の舞台のわりに、安易な計画、軽々しい動機の犯行だった。

■中村良一の【裁判】■

❶1995年12月19日、東京地裁、中村良一に懲役11年の判決。
❷1996年11月21日、東京高裁、控訴棄却。
❸2000年6月8日、最高裁、上告棄却⇒懲役11年の確定。

❹2002年4月15日、内田の遺族が約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、
東京地裁・山名学裁判長は、
「東大側の安全管理に過失があった」として、6684万円余を支払うよう命じた。
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▼2005年、静岡県内の女子高生が、母親にタリウムを飲ませるという事件が起こった。
日本犯罪史上、❶福岡大学病院事件、❷東大技官タリウム毒殺事件に次いで3例目のタリウム事件だった。

■≪タリウム事件参考文献≫■
①角川書店「ニッポン列島毒殺事件簿」植松黎
②データハウス「毒物犯罪カタログ」 国民自衛研究会
③東京法経学院出版「明治・大正・昭和・平成 事件犯罪大事典」事件・犯罪研究会・編
④二見書房「日本中を震えあがらせた恐怖の毒薬犯罪99の事件簿」楠木誠一郎
⑤毎日新聞社「事件記者の110番講座」三木賢治

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タリウムは、1861年にイギリスのウィリアム・クルークスとラミーによって、硫酸工場の鉛室の泥中で発見された。
重金属の毒で、鉛や水銀に近いが毒性はさらに強い。
金属タリウム色は銀白色であるが空気にふれるとすぐ酸化されて灰色となる。

致死量は0.2~1g。無味無臭で水に溶けやすい。
飲んでもすぐには症状は出ず、だいたい数日から10日後に、手足に痺れや痛みを生じさせる。
また神経炎、神経痛、肺炎、発疹チフス、アルコール中毒などと間違われやすいという恐るべき毒物である。
かつて日本では硫酸タリウムを砂糖、でん粉、グリセリン、水でこねて殺鼠剤に使われた。
また女性の除毛剤としても売られていた事もある。
1970年代に欧米で使用禁止となったタリウムは、日本でも日常的に使われる事はなくなり、
現在では医局の試薬、特殊ガラス・人工宝石の製造などに使われる。

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