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2011年10月12日水曜日
自治会費等請求事件・最高裁判決平成17年4月26日/平成16年受理第1742号/上告人=団地2棟301号室・甲野太郎<被上告人=自治会長・丁原松夫>『札幌地裁資料』
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(自治会費等請求事件判例2005/4/26)↓
http://blog.goo.ne.jp/eszxc123/
(札幌簡易裁判所結審2012/6/13)↓
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自治会費等請求事件、平成16年受理第1742号
平成17年4/26、第3小法廷判決 、裁判官全員一致の判決
裁判長=浜田邦夫
裁判官=金谷、上田、藤田
埼玉県営住宅本多第二団地
上告人=団地2棟301号室、甲野太郎
被上告人=埼玉県新座市、埼玉県営団地1,2,3棟の合同三棟団地自治会
自治会長 丁原松夫
①自治会退会を無条件に一方的に認める。
②自治会費の退会後は支払いは不要。
③共益費は退会後も支払うこと。
この3っが判決された。
1審=自治会退会を認めず。さいたま地裁平成16年1/27判決1993号
2審=自治会退会を認めず。東京高裁平成16年7/15判決946号
3審=自治会退会を認める。最高裁平成17年4/26判決1742号
この団地の共益費=2700円(月)
この団地の自治会費=300円(月)
未払い額=65700円、約2年弱の未払いでの、裁判事件です。
双方の裁判費用を考えると、かなりお金がかかった。
この判決文の全文を私は、保有している。
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■判例: 2005(平成17)年04月26日第3小法廷判決 平成16年(受)第1742号 自治会費等請求事件
■要旨: 権利能力のない社団である県営住宅の自治会の会員がいつでも当該自治会に対する一方的意思表示によりこれを退会することができるとされた事例
■内容:
< 件 名 >
自治会費等請求事件 (最高裁判所 平成16年(受)第1742号 平成17年04月26日 第三小法廷判決 一部破棄自判,一部棄却,一部却下)
< 原 審 >
東京高等裁判所 (平成16年(ネ)第946号)
▼< 主 文 >▼
① 原判決中本訴請求に関する部分を次のとおり変更する。第1審判決中本訴請求に関する部分を次のとおり変更する。上告人は,被上告人に対し,6万5700円及びこれに対する平成15年4月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。被上告人のその余の請求を棄却する。
② 上告人のその余の上告を却下する。
③ 訴訟の総費用は,これを100分し,その99を上告人の,その余を被上告人の負担とする。
▼< 理 由 >
上告人の上告受理申立て理由について
A 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 被上告人は,(住所省略)所在の県営住宅3棟によって構成されるA団地(以下「本件団地」という。)の入居者を会員とする自治会である。被上告人は,会員相互の親ぼくを図ること,快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること,会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立された権利能力のない社団である。
被上告人の規約は,①被上告人は,本件団地の入居者をもって組織すること,②共益費は1世帯当たり月額2700円,自治会費は1世帯当たり月額300円とすることなどを規定しているが,会員の退会についてはこれを制限する規定を設けていない。
(2) 上告人は,平成10年10月1日,本件団地2号棟301号室に入居した上,被上告人に入会し,同月分から平成13年2月分までは,被上告人に対し,自治会費を支払ってきた。
(3) 共益費は,本件団地内の共用施設を維持するための費用であり,主なものとして,街路灯,階段灯等の電気料金,屋外散水栓等の水道料金や排水施設の維持,エレベーターの保守,害虫駆除等に要する費用がこれに該当する。
埼玉県から委託を受けて本件団地の管理業務を行っている埼玉県住宅供給公社(以下「公社」という。)は,被上告人及び本件団地の各入居者に対し,共益費については,本件団地の各入居者が個別に業者等に対して支払うことは困難であることを理由に,被上告人が本件団地全体の共益費を一括して業者等に対して支払うこと及び本件団地の各入居者は各共益費を被上告人に対して支払うことを指示している。被上告人及び本件団地の各入居者は,この指示に従っており,上告人も,被上告人に対し,平成10年10月分から平成13年2月分までの共益費を支払ってきた。
(4) 上告人は,被上告人の役員らの方針や考え方に不満があることを理由として,平成13年5月24日,被上告人に対し,被上告人を退会する旨の申入れ(以下「本件退会の申入れ」という。)をした。
(5) 上告人は,被上告人に対し,平成13年3月分から平成15年2月分までの共益費合計6万4800円及び自治会費合計7200円の総合計7万2000円を支払っていない。
B 本件のうち本訴請求に関する部分は,被上告人が,上告人に対し,上記共益費合計6万4800円及び自治会費合計7200円の総合計7万2000円並びにこれに対する遅延損害金の支払を求めるものである。
C 原審は,概要次のとおり判断して,被上告人の本訴請求を認容すべきものとした。
本件団地の入居者によって構成される権利能力のない社団である被上告人は,本件団地の入居者が,共用施設を共同して使用し,地域住民としての環境の維持管理,防犯等に共通の利害関係を有しており,かつ,地域的な結び付きを基盤として,入居者全員の協力によって解決すべき問題に対処する必要があることから,これらの公共の利害にかかわる事項等の適切な処理を図ることを目的として設立された。被上告人の会員にあっては,被上告人に入会することで,共用施設の共同利用やその維持管理,安全かつ良好な居住環境の確保等の公共的な利益を享受する一方,これらの利益の享受に対する対価として共益費の支払義務を負うほか,これらの利益の確保のために被上告人を運営し,かつ,その諸活動を遂行する上において必要な経費を賄うために自治会費を負担するものである。そして,被上告人の規約において,被上告人が本件団地の入居者によって組織することと定められており,退会については特別に定められておらず,被上告人の事業の執行は,特定の思想,宗教,党派等によって左右されてはならないと定められている。
このような被上告人の設立の趣旨,目的,団体としての公共的性格等に照らして考えれば,被上告人の会員が,被上告人の組織の運営等が法秩序に著しく違反し,もって当該会員の個人としての権利を著しく侵害し,かつ,その違反状態を排除することを自律規範にゆだね難いなどの特段の事情がある場合に被上告人に対して退会を申し入れることは許され得るとしても,特定の思想,信条や個人的な感情から被上告人に対して退会を申し入れることは条理上許されないものというべきである。
したがって,本件退会の申入れは無効であり,上告人は,被上告人の請求に係る共益費及び自治会費の支払義務を免れないというべきである。
D しかしながら,原審の上記判断のうち,上告人が共益費の支払義務を免れないという部分は結論において是認することができ,また,平成13年3月分から同年5月分までの自治会費の支払義務を免れないという部分は是認することができるが,その余の部分は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
(1) 前記の事実関係によれば,
①共益費は,本件団地内の共用施設を維持するための費用であり,主なものとして,街路灯,階段灯等の電気料金,屋外散水栓等の水道料金や排水施設の維持,エレベーターの保守,害虫駆除等に要する費用がこれに該当すること,
②埼玉県から委託を受けて本件団地の管理業務を行っている公社は,被上告人及び本件団地の各入居者に対し,共益費については,本件団地の各入居者が個別に業者等に対して支払うことが困難であることを理由に,被上告人が本件団地全体の共益費を一括して業者等に対して支払うこと及び本件団地の各入居者は各共益費を被上告人に対して支払うことを指示していること,
③被上告人及び本件団地の各入居者は,この指示に従っており,上告人も,被上告人に対し,平成10年10月分から平成13年2月分までの共益費を支払ってきたことが明らかであり,これによれば,上告人は,本件団地2号棟301号室に入居するに際し,そこに入居している限り被上告人に対して共益費を支払うことを約したものということができる。
したがって,本件退会の申入れが有効であるか否かにかかわらず,上告人の被上告人に対する共益費の支払義務は消滅しないというべきである。
(2) 被上告人は,会員相互の親ぼくを図ること,快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること,会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立された権利能力のない社団であり,いわゆる強制加入団体でもなく,その規約において会員の退会を制限する規定を設けていないのであるから,被上告人の会員は,いつでも被上告人に対する一方的意思表示により被上告人を退会することができると解するのが相当であり,本件退会の申入れは有効であるというべきである。被上告人の設立の趣旨,目的,団体としての性格等は,この結論を左右しない。
(3) 以上説示したところによれば,上告人は,被上告人に対し,平成13年3月分から平成15年2月分までの24か月分の共益費合計6万4800円及び平成13年3月分から同年5月分までの3か月分の自治会費合計900円の総合計6万5700円の支払義務を負うが,同年6月分以降の自治会費の支払義務は負わないというべきである。
そうすると,論旨はこの限度で理由があり,これと異なる原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。
E 以上によれば,被上告人の本訴請求は,上告人に対し,6万5700円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容し,その余は棄却すべきである。したがって,これと異なる原判決を主文第1項のとおり変更することとする。
なお,上告人は,反訴請求に関する上告については,上告受理申立て理由を記載した書面を提出しないから,同部分に関する上告は却下することとする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 濱田邦夫
裁判官 金谷利廣
裁判官 上田豊三
裁判官 藤田宙靖
●●●●●●人間関係と経緯と歴史と流れ●●●●●●
2005(H17)・04・26(最高裁判決)
埼玉県営住宅本多第二団地
start
1、
公営住宅の住民が自治会から退会できるかどうかが争われた訴訟で、最高裁判所第3小法廷は4月26日、退会を原則的に認めないとした1、2審判決を変更し、退会の自由を認める判決を言い渡しました。
判決では「団地の自治会からは一方的意思表示で退会できる」との始めての判決を示したもので、住民側の一部勝訴が確定しました。
2、
この事件は埼玉県新座市の「埼玉県営住宅本多第二団地」に98年に入居した男性が、自治会役員に不満を持ち、01年に当該団地の「けやき自治会」に対し、退会届を提出。
その後は毎月の共益費2700円と自治会費300円を納付しませんでした。
このため自治会側は退会届を無効として2年分7万2000円の支払いを求めて提訴していたものです。
3、
さいたま地裁は04年1月、 「やむを得ない事情が無い限り退会は無効」と判断し、東京高裁(04年7月)も「居住者全体の利益を損なう」として退会を認めませんでした。
4、
同自治会が別の住民を相手取った同種の訴訟では、東京高裁(04年5月)が退会を認める判決を出し、同じ団地を巡る2つの訴訟で判断が分かれていました。
5、
最高裁判所第3小法廷では「自治会は会員相互の親睦を目的として設立されたもので、退会制度の規定もなく、退会申し入れは有効」と述べ、退会届提出後の自治会費(毎月300円)の支払義務は無いとした。
共益費(毎月2700円)は支払い義務有りとした。
第一審から第二審に行くことを「控訴」といい、第二審のことを「控訴審」といいます。
また、第二審から第三審に行くことを「上告」といい、最高裁判所で出された判決は最終決定となります.
ですから最高裁の判決が出たということは、類似する裁判での手本となるべき判例が出たということで、非常に重みのあるものです。
end
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